2009年04月03日
いつかは桜の花のように
僕の家の周りのさくらが、八分咲きくらいになってきてとても綺麗です。
年を取るごとになぜか、このさくらの花に対する関心が高まっていく気がします。
そしてその花びらが散り始めると、なにか言いしれぬもの哀しさを感じるようになってしまいました。
さくらの花が、四月のあいだずっと咲いていてくれると嬉しいのですがほんとにわずかな間で散ってしまいますよね。
たぶんだからこそ咲き乱れている今が、とても美しく輝いて見えるのでしょう。
科学が発達した現在ならば、品種改良して長期間にわたって咲き続ける桜を開発することは不可能ではないでしょうがそんなものを出したらせっかくの日本の春の風物詩が変わってしまい不粋の極みだと誹られてしまうかも知れませんね。
テニス選手も美しく咲く桜のような華麗なプレーで一世を風靡するスターがいますが、やがて散っていく花びらと同じく必ずトップの座から去らねばならない日が訪れます。
しかし、一度でもそうしてテニスプレイヤーとしての才能を開花させることができる桜の木のような選手もいれば、一度も花を咲かすことができずに終わるプレイヤーもいます。
いつか咲かせてみせると思いながら情熱を失わずにテニスを続ける人もいれば、もうどんなに頑張っても自分は花を咲かせることのない身なのだと悟ってテニスをやめてしまう人がいるのも事実です。
確かに綺麗に花が咲いたほうが良いとは思いますが、別に華々しく花弁を纏うことなどなくてもそれはそれで良いのではないかと思うのです。
桜の花を眺めていたら、ふとそんなことを考えてしまいました。
まだ一度も花を咲かせていない僕ですが、まだまだこれからもいつかはきっと咲かせてみせると密かに思いつつ今日も痛む腰をさすりながらボールを追いかけます。
だからお願いだから、「コーチのバックハンドスライス、ボールが止まって打ちにくい、枯れてるよ」って言うのはやめて!
年を取るごとになぜか、このさくらの花に対する関心が高まっていく気がします。
そしてその花びらが散り始めると、なにか言いしれぬもの哀しさを感じるようになってしまいました。
さくらの花が、四月のあいだずっと咲いていてくれると嬉しいのですがほんとにわずかな間で散ってしまいますよね。
たぶんだからこそ咲き乱れている今が、とても美しく輝いて見えるのでしょう。
科学が発達した現在ならば、品種改良して長期間にわたって咲き続ける桜を開発することは不可能ではないでしょうがそんなものを出したらせっかくの日本の春の風物詩が変わってしまい不粋の極みだと誹られてしまうかも知れませんね。
テニス選手も美しく咲く桜のような華麗なプレーで一世を風靡するスターがいますが、やがて散っていく花びらと同じく必ずトップの座から去らねばならない日が訪れます。
しかし、一度でもそうしてテニスプレイヤーとしての才能を開花させることができる桜の木のような選手もいれば、一度も花を咲かすことができずに終わるプレイヤーもいます。
いつか咲かせてみせると思いながら情熱を失わずにテニスを続ける人もいれば、もうどんなに頑張っても自分は花を咲かせることのない身なのだと悟ってテニスをやめてしまう人がいるのも事実です。
確かに綺麗に花が咲いたほうが良いとは思いますが、別に華々しく花弁を纏うことなどなくてもそれはそれで良いのではないかと思うのです。
桜の花を眺めていたら、ふとそんなことを考えてしまいました。
まだ一度も花を咲かせていない僕ですが、まだまだこれからもいつかはきっと咲かせてみせると密かに思いつつ今日も痛む腰をさすりながらボールを追いかけます。
だからお願いだから、「コーチのバックハンドスライス、ボールが止まって打ちにくい、枯れてるよ」って言うのはやめて!
2009年04月03日
テニスボールを咥える犬
明日の金曜日は午前中に、家の近くの河川敷にあるクレーコートでサークルのコーチを引き受けてレッスンしています。
この河川敷のクレーコートはとても雨に弱くて、前日に少しでも雨が降るとすぐに使用不可になってしまいます。
そして大きな川の畔にあるので、いわゆる川風という特別に強い風が吹き荒れたり、その風に運ばれた土砂を吹くんだ砂嵐に度々、見舞われたりしていろいろと問題があるコートです。
しかし、そういう気象条件に影響されやすいということだけでなくもう一つ最近になって増えてきたトラブルがあります。
それはコートの周辺に集まる愛犬家集団による、犬の放置プレーです。
実は、僕はあまり動物に対して平常心で接することはできません、つまりわかりやすくいうと苦手です。
10歳近くまでおよそ動物とは縁のない街で育ち、その後もあまり野生動物などいないところで生活したせいなのか動物に対してまず恐怖心があり、それは今さらこの歳では払拭しようもありません。
それと犬に関しては、小学生の頃に野良犬だか逃げ出した飼い犬だかに追いかけられてとても恐い思いをしてから特に苦手になってしまいました。
そんな僕があるとき河川敷でレッスンしていると、フェンスを飛び越えたボールを大きな犬が走ってきて咥えてしまいました。
そしてそのボールをコートの入り口まで持ってきてくれたので、(うわー、賢くて行儀の良いワンちゃんだな)と感心します。
でもそんな大きくて黒いオオカミみたいな犬に、恐くて近づけません。
しばらく待っても受取に来てくれないので、犬はあきらめて恨めしそうな目で僕を見ながらその場にボールを転がして去って行きます。
そしてレッスンが終わって、帰るために河川敷を歩いているとその黒くて大きな犬が遠くから僕を目がけて走ってくるのに気づきました。
反射的に僕は走って逃げだしましたが、犬は見る間に近づいてきてもう少しで飛びかかりそうです。
もうダメだと思わず目をつぶって覚悟したそのとき、「ブラッド、ストップ!」という女性の声がして途端に犬はその場でお座りしておとなしくなりました。
近づいてきたその犬の飼い主らしき女性を見て、僕はもう少しで腰が抜けそうなのをなんとかごまかして平静を装いました。
そして「すいません、驚かしてしまって申し訳ありません」と謝るその彼女に、「いーえ、全然おどろいたりしていませんから大丈夫ですよ、とても素敵なドーベルマンですね」などと心にもないことを言ってしまいました。
なぜならその飼い主は、その犬のイメージそのままの黒木メイサを彷彿とさせる美貌の持ち主だったからです。
さらに「あら、犬がお好きなんですか?」と意外そうに尋ねる彼女に対して、「えー、ものすごく大好きなんですよ、僕もドーベルマンを飼おうかと最近さがしていたところなんです」などと口から出任せで自分で驚きました。
しかし、そんな僕の嘘を見透かしたのは彼女の犬でした。
もっとゆっくりと話たいと思っている僕から、飼い主を遠ざけるようにその憎き黒すけは突然また走り出したので、麗しのメイサちゃんはそのあとを追いかけて行ってしまいました。
その次のレッスンではわざとフェンスからボールをやたらに飛びださせてみましたが、黒すけも黒木メイサもあらわれませんでした。
かわりにソフトバンクのお父さんみたいな小さな白い犬を連れた菅井きんによく似たお婆さんが、「お兄さん、はいボール!」と言いながら投げて寄越してくれました。
この河川敷のクレーコートはとても雨に弱くて、前日に少しでも雨が降るとすぐに使用不可になってしまいます。
そして大きな川の畔にあるので、いわゆる川風という特別に強い風が吹き荒れたり、その風に運ばれた土砂を吹くんだ砂嵐に度々、見舞われたりしていろいろと問題があるコートです。
しかし、そういう気象条件に影響されやすいということだけでなくもう一つ最近になって増えてきたトラブルがあります。
それはコートの周辺に集まる愛犬家集団による、犬の放置プレーです。
実は、僕はあまり動物に対して平常心で接することはできません、つまりわかりやすくいうと苦手です。
10歳近くまでおよそ動物とは縁のない街で育ち、その後もあまり野生動物などいないところで生活したせいなのか動物に対してまず恐怖心があり、それは今さらこの歳では払拭しようもありません。
それと犬に関しては、小学生の頃に野良犬だか逃げ出した飼い犬だかに追いかけられてとても恐い思いをしてから特に苦手になってしまいました。
そんな僕があるとき河川敷でレッスンしていると、フェンスを飛び越えたボールを大きな犬が走ってきて咥えてしまいました。
そしてそのボールをコートの入り口まで持ってきてくれたので、(うわー、賢くて行儀の良いワンちゃんだな)と感心します。
でもそんな大きくて黒いオオカミみたいな犬に、恐くて近づけません。
しばらく待っても受取に来てくれないので、犬はあきらめて恨めしそうな目で僕を見ながらその場にボールを転がして去って行きます。
そしてレッスンが終わって、帰るために河川敷を歩いているとその黒くて大きな犬が遠くから僕を目がけて走ってくるのに気づきました。
反射的に僕は走って逃げだしましたが、犬は見る間に近づいてきてもう少しで飛びかかりそうです。
もうダメだと思わず目をつぶって覚悟したそのとき、「ブラッド、ストップ!」という女性の声がして途端に犬はその場でお座りしておとなしくなりました。
近づいてきたその犬の飼い主らしき女性を見て、僕はもう少しで腰が抜けそうなのをなんとかごまかして平静を装いました。
そして「すいません、驚かしてしまって申し訳ありません」と謝るその彼女に、「いーえ、全然おどろいたりしていませんから大丈夫ですよ、とても素敵なドーベルマンですね」などと心にもないことを言ってしまいました。
なぜならその飼い主は、その犬のイメージそのままの黒木メイサを彷彿とさせる美貌の持ち主だったからです。
さらに「あら、犬がお好きなんですか?」と意外そうに尋ねる彼女に対して、「えー、ものすごく大好きなんですよ、僕もドーベルマンを飼おうかと最近さがしていたところなんです」などと口から出任せで自分で驚きました。
しかし、そんな僕の嘘を見透かしたのは彼女の犬でした。
もっとゆっくりと話たいと思っている僕から、飼い主を遠ざけるようにその憎き黒すけは突然また走り出したので、麗しのメイサちゃんはそのあとを追いかけて行ってしまいました。
その次のレッスンではわざとフェンスからボールをやたらに飛びださせてみましたが、黒すけも黒木メイサもあらわれませんでした。
かわりにソフトバンクのお父さんみたいな小さな白い犬を連れた菅井きんによく似たお婆さんが、「お兄さん、はいボール!」と言いながら投げて寄越してくれました。