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気ままなコーチのテニスショップ 大岡山のフレスコテニスショップをやっているテニスコーチ稲垣のブログです。

ポリは飛び過ぎない切れない劣化しない

こないだ読んだテニス雑誌に筋肉は強いショットを打つと約5本くらい筋繊維が切れると書いてあったことをご紹介しました。

それで昨日のウィンブルドンでのナダルのフォアハンドストロークを観ているときに、「今ので何本くらい切れたかな?」とつい考えてしまいました。

あれだけ頻繁にハードヒットしていたら並の選手だったらかなり筋疲労が進んできて、終盤ではペースダウンを余儀なくされるはずです。

しかもファイナルまで何回もそうやって戦ってきているわけですから、そうとう筋肉にはダメージが残っているはずなのですがナダルのプレイを観ているとまるであれが初戦のような勢いでした。

それだけ筋持久力を高めるトレーニングをハードに積んでいるということなのでしょうね。

切れてもすぐに修復が進むし、あれだけ太い肩周りや腕からするとそもそも切れる本数が格段に少なくて済むのでしょう。

そういえばラケットのストリングも昔はナチュラルが主流で試合中によく切れて、選手がベンチにいって新しい張り立てのものと取り替えるシーンをよく目にしました。

最近はあまり切れて取り替える事が少なくなったようです。

ストリングも筋肉みたいに鍛えて持久力を高めたから?

いやそんな生きている筋繊維みたいなわけにはいきませんから、素材をもっと耐久力があるものに変えたのです。

それがポリエステル製ストリングというもので、いまや男子トッププロでは使用率が8割近くというのですから驚きです。

10年前にクエルテン選手が活躍し始めて彼が使っていたのがルキシロン社のポリエステルストリングだったことからあっと言う間に普及しました。

その頃はまだATPオフィシャルストリングはバボラのナチュラルだったのが、その後にルキシロンに取って代わられてしまいました。

ナチュラルは確かに打球感も反発力も優れていてその点に関しては実は未だにポリエステルもかないません。

ではなぜ男子プロたちはポリなのかというと、一試合を通じて切れにくくテンション維持も良好だからです。

それと今のラケットはとても高い反発力を有しているので、それにストリングまだ反発力が高すぎるとコントロールしづらくなるわけです。

もともと反発性能が低い木製ラケットでどうにかボールの飛びを良くするために使われてきたナチュラルストリングですから今やその飛びの良さがかえってパワーのあるプロたちには敬遠されてしまうようになったのです。

トッププロたちが渾身のパワーでフルスイングしてちょうどよく相手コートのベースラインに収まるようにしてくれるのは飛びすぎないポリエステルストリングのおかげなのです。

以前よりもかなり大きくなった最近の豪快な打球フォームが観られるようになったのももしかしたらポリエステルが貢献しているところが少なからずあると思います。

一方の打つ立場からするとそれなりにパワーのあるスイングをしないとポリエステルのメリットは少ないので、単にあのナダルのようにと憧れてポリエステルを張ってしまうのはちょっと考えものかも知れません。

コートに出ていざ「ナダル打ちだ!」とチャレンジしてみたら「あれっ、すごく打球感が硬いしボールがまるで飛んでいかないぞ冷や汗」となる恐れが大です。

でも最近はそんなポリエステル初チャレンジしたい方向きのかなり柔らかめで飛びもそんなに抑えられていないものが出ていますからコーチやストリンガーに相談してみてください。


日記 | 投稿者 fresco 00:53 | コメント(0) | トラックバック(0)
fresco
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