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気ままなコーチのテニスショップ 大岡山のフレスコテニスショップをやっているテニスコーチ稲垣のブログです。

天才指揮者のネットプレー

今までに見てきたプロ選手のボレーのなかでもっとも印象に残っているのは往年の名選手、というかもはや伝説のテニスプレイヤーであるベテラン外国人選手です。

そのプロが日本に来てテニスクリニックをすることになり、僕はその招聘した企業グループの会社に所属していたので手伝いに行くことになった時のことでした。

その選手は名前はもちろんかねてから良く知っていましたが、既に引退してからかなり経過していたので現役時代のプレーをライブで見たことはありませんでした。

その選手のクリニックが始まり、僕はそれまでの準備がメインの仕事だったのでそこからすぐ間近でカリスマプレイヤーの打つ様子をしっかりと見ることができました。

最初にデモンストレーションで日本のセミプロ選手を相手にストロークでラリーをして見せてくれたのですが、伝説のプロが放ったバックハンドストロークのスライスショットの鋭さに会場に集まった誰もが思わず「オォー!」とどよめきました。

その華麗なフォームの美しさ、誰にも真似できない独特なスライス打法、そしてネット上数ミリ?ギリギリに意志を持つかのごとく飛行していくボール!

これぞ伝説のミラクルバックハンドスライス!

そしておそらくはじめてそのボールを受けた、相手の全日本クラスのセミプロ選手もあまりのスーパーショットに面食らって返球できませんでした。

しかし、僕がさらに感激したのはその後にカリスマがネットに出てボレーで打ち返し始めたときのことです。

そのラケットを身体の前で巧みに操ってボレーをする姿は、まるでオーケストラの指揮者がタクトを振っているかのような洗練された芸術性すら感じさせるものでした。

必要最小限の無駄のない正確無比なラケットワークが生み出す美しきボレーは、その飛んでいくボールの落下点が何十球も続けてほぼ同じところだったことにも驚愕させられました。

それまで僕はテニスは少しでも力強く速いボールを打つのが最高なんだと思っていたのが、それ以降にわかに変わったのです。

「テニスは美しいスポーツなんだ!」ということを強く意識するようになり、それまであまり練習しなかったボレーを暇さえあればやるようになりました。

そのおかけで以前よりはずっとボレーが良くなり、何よりもボレーを打つ楽しさがわかるようになったことはほんとにその選手のおかげだと思っています。

だから、ボレーが今ひとつ良くないとか打つのが楽しくないという方にはぜひそのプロのような無駄のない動きを心がけるとボレー開眼のきっかけとなるのではないでしょうか。

ネットに出たら対戦者を自分の意のままに指揮するつもりでタクトを振るようにラケットを操りましょう。

ネットプレー上達の極意、それは「カラヤンのボレー」ですよスマイル
日記 | 投稿者 fresco 15:28 | コメント(0) | トラックバック(0)
fresco
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